グリーンオニオン♪
なんだと思います?
ロンドンで私が乗ってた自転車につけた名前。
ライムグリーンのマウンテンバイク。
グリーンオニオンというのは野菜で、タマネギをもっと細くして茎を長くして緑色にしたような感じのやつ。どっちかと言うと青ネギに近いんだけど、青ネギよりはしっかりしている感じです。日本では見たことない。
通りかがりのおばさんからいい自転車ね〜と褒められたので、グリーンオニオンって名前つけたの!と答えたら、あらピッタリ!と言われて嬉しかったな。
ロンドン生活にもだいぶ慣れてきた頃。
私は自転車が欲しくなった。
ロンドンは地下鉄もバスも便利だし、なくてもいいんだけど交通費って結構かかるし、ちょっとした距離なら自転車で十分だった。
新品は高いだろうし、新聞の売ります・買いますの欄で探しました。
良さそうなのがあったので、電話してコンタクトを取る。相手は男性。これこれここに住んでるから取りに来て、と言われる。
聞いたこともない場所。
郊外へ行く電車で1時間くらいのったかな。
とにかく遠いなぁと思った。
駅に着いたら相手の人が車で迎えに来てくれてた。中年の男性だった。別に怪しい感じはしない。家まで一緒に乗って、と。
車の中で話をした。
彼は私が日本人だとは思わなかったそう。
というか日本人と話したのはじめてだと言ってた。
日本の家電てすごいよね。
あれは芸術だよ。
イギリスの?クズだ!
彼は典型的なイギリス郊外に住む労働者階級の人だったのかもしれない。
こじんまりした小さな一軒家にはごちゃごちゃいろんなものがあった。
小さな子どもがいるようで、ベビーカーもあった。
そして私はお金を払い、自転車を手に入れまた車に積んで駅まで送ってもらい、電車に乗せてロンドン市内まで帰ってきた。
思えば不思議な出会い。
海外にたとえ滞在したとしても、それぞれの階層の範囲内でしか交流しないことがほとんど。
留学生として行けば、英語学校の先生かそのクラスメイトか、あとはせいぜい借りている部屋の宿主との交流くらいだろう。
ロンドンには沢山の外国人が暮らしていて、意外なほどイギリス人と交流することが少なかった。
こちらのほうがイギリスの当たり前の日常に暮らす人々なのかもしれないと感じた。
貴重な体験でした。
日本人、家電だけじゃないことを証明できたらもっとよかったんだけど!笑